Mag-Fura-2 AMによるカルシウム含有量の評価[1]
このプロトコールはあくまでもガイドラインを提供するのみであり、ご自分の特定のニーズに合わせてご調整願います。
1.染料溶液の調製
(1)原液の調製:高品質な無水DMSOで、濃度が1-10mMのMag-Fura-2 AM原液を調製する。注:未使用の原液を分注し、それを-20°Cまたは-80°Cの暗所で保存し、よって繰り返される凍結と融解を避ける。
(2)作業溶液の調製:適切な緩衝液(例えば無血清と無フェノールレッドの培地またはPBS)で原液を希釈し、濃度が1-10mMの作業溶液を調製する。繰り返される凍結と融解を避けるためには、実際の条件に合わせて作業溶液の濃度を調整し、使用する直前に調製してください。注:作業溶液は実験の当日に新鮮に調製しなければならない。使用の前に、Mag-Fura-2 AM溶液を再加温し、遠心分離するべきである。
2.細胞懸濁液の染色
(1)浮遊細胞:4°C、1000gで3-5分間遠心分離し、上清を廃棄し、PBSまたはその他の緩衝液で5分間/回、2回洗浄する;
(2)接着細胞:PBSまたはその他の緩衝液で2回洗浄し、トリプシンを添加して細胞を消化し、消化が完了した後は1000gで3-5分間遠心分離する;
(3)所定の温度(25°C-37°C)で細胞を10分間インキュベートし、イオンの勾配を安定させ、平衡状態に達させる。4μlのMag-Fura-2 AM原液と5μlの20% Pluronic® F-127を取り、1mlの細胞培地に添加し、ボルテックスミキサーで激しく混合し、よって均一なプローブ分散液を得る。250μlの調製されたプローブ分散液を取り、それを750μlの細胞含有の培地に添加してよく混ぜる。この時点で、母液の初期濃度に基づき、最終濃度が1-5μMの作業溶液を得る。需要に応じてプローブを15-60分間インキュベートする。細胞を3回洗浄し、その後は30分間インキュベートし続け、細胞におけるプローブが完全に脱エステル化されるようにする。
注:
1)殆どの細胞におけるMag-Fura-2 AMの推奨作業濃度は1-5μMであり、具体的な濃度は実験の需要に応じて最適化する必要がある。過剰な負荷による細胞毒性を避けるために、効果的な結果に基づき、できる限り一番低いプローブ濃度を使用するべきである;
2)(任意)細胞が有機アニオン輸送体を含有する場合は、脱エステル化プローブの漏出レベルを低下させるために、probenecid(1-2.5mM)またはsulfinpyrazone(0.1-0.25mM)を細胞培地に添加する必要があるかもしれない。probenecidまたはsulfinpyrazoneの原液がアルカリ性であるため、培地の添加後はpHを再調整する必要がある;
3)血清含有の培地を使用した場合、血清ラクトナーゼはMag-Fura-2 AMを分解し、よって染料導入効果を減らす;一方、フェノールレッドを含有する培地は、バックグラウンド値を僅かに高くする。染色作業溶液を添加する前に、細胞を2、3回洗浄するべきである;
4)プローブ導入温度を下げることは、プローブの区画化を減らす可能性がある。
(4)適切な機器を選び、蛍光測定を行う(Ex/Em=336/503nm)。
3.細胞接着染色
(1)無菌カバーガラスで接着細胞を培養する;
(2)培地からカバーガラスを除去し、余分の培地を吸引除去し、カバーガラスを加湿の環境に置く;
(3)所定の温度(25°C-37°C)で細胞を10分間インキュベートし、イオンの勾配を安定させ、平衡状態に達させる。4μlのMag-Fura-2 AM原液と5μlの20% Pluronic® F-127を取り、1mlの細胞培地に添加し、ボルテックスミキサーで激しく混合し、よって均一なプローブ分散液を得る。250μlの調製されたプローブ分散液を取り、それを750μlの細胞含有の培地に添加してよく混ぜる。この時点で、母液の初期濃度に基づき、最終濃度が1-5μMの作業溶液を得る。需要に応じてプローブを15-60分間インキュベートする。細胞を3回洗浄し、その後は30分間インキュベートし続け、細胞におけるプローブが完全に脱エステル化されるようにする。
(4)適切な機器を選び、蛍光測定を行う(Ex/Em=336/503nm)。
4.注意事項:
(1)蛍光染料にはすべて消光の問題がある。蛍光消光を遅らせるためには、光から出来るだけ避けて下さい。
(2)ご自分の安全と健康の為に、操作中は白衣と使い捨ての手袋をご装着願います。
(3)実験の間で、Mag-Fura-2 AMを暗所で保存するべきである。
(4)このプロトコールと全ての試薬は、科学研究のみに使われるべきである。
References: [1] Gurney A M, Drummond R M, Fay F S. Calcium signalling in sarcoplasmic reticulum, cytoplasm and mitochondria during activation of rabbit aorta myocytes[J]. Cell Calcium, 2000, 27(6): 339-351. |