Cy3-cholesterol(λex = 554nm、λem = 568nm)はCyanine3で標識されたオレンジ色蛍光のコレステロールであり、コレステロール様の結合特性を持つ。Cy3-cholesterolは細胞に取り込まれ、細胞内コレステロールの分布と代謝の視覚化と追跡を実現する。Cy3-cholesterolは蛍光プローブとして広く使われ、コレステロールの取り込みと細胞小器官間の細胞内輸送をモニタリングする。
引用文献 (Citations)
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実験プロトコル (Protocol)
注:異なる細胞に対するCy3-cholesterolの取り込みの具体的な使用方法はそれぞれ大きく異なる。特定の細胞については、文献を参照し、または検出結果に基づき調整し最適化してください。
1.Cy3-cholesterol取り込み作業溶液の調製
1.1.開封する前に、製品を室温に戻し、短く遠心分離し、無水エタノールで Cy3-cholesterolを10mMの濃度に溶解する。
1.2.96ウェルのプレートと6ウェルのプレートについて、1ウェルにあたり、それぞれ100μlと1mlのCy3-cholesterolコレステロール取り込み作業溶液 (Working Solution)を使う必要がある。その他の培養容器について、量は比例的に調節できる。サンプルの数に基づいて、必要なコレステロール取り込み作業溶液の体積を算出する。無血清作業溶液を使い、25μM Cy3-cholesterol溶液を調製する。
注1:最適の細胞濃度を測定するために、異なる細胞サンプルで前実験を行うことを推奨する。1-25μMの範囲以内の濃度勾配を推奨する。
注2:Cy3-cholesterol取り込み作業溶液を調製する場合、光から避けて下さい。調製されたCy3-cholesterol取り込み作業溶液は一回で使い切るべきで、冷凍してはいけない。
2.陽性対照の設置(オプション)
単独の陽性対照の複製を設置し、25μM Cy3-cholesterolと10μM U 18666Aを含有する作業溶液を添加する。U 18666Aはコレステロール排出経路を干渉し、コレステロールとその他のステロールをリソソームで蓄積させる。
注:殆どの細胞に対して、24時間のU 18666Aの処理は、細胞内でコレステロールの排出を効果的に阻害し、細胞で蓄積したCy3-cholesterolは強いオレンジ色の蛍光を示す;一部の細胞に対して、濃度と時間の勾配は探索する必要がある[1]。
3.細胞コレステロール取り込み用のマイクロプレートリーダーアッセイ
a.培養。細胞を96ウェルの黒いマイクロプレートに播種する。ウェルごとの細胞数は100-10,000、通常は2,000-5,000の範囲内でコントロールするべきである。実験の設計に応じて、細胞にある程度の処理を行う。
注:検出時の細胞量については、接種細胞の数を考慮する必要がある。細胞が一定期間培養する必要があり、または薬物処理の時間が比較的に長い場合、接種細胞の数を適切に減らすべきである。過剰、または不足な細胞数は最終検出の結果を影響する可能性がある。
b.洗浄。付着細胞について、培養液を除去し、PBSで細胞を一回洗浄する;浮遊細胞について、室温、250-1000×gで5分間遠心分離し、上清を除去し、PBSで一回洗浄する。
注:PBSで細胞を洗浄するかどうかは、実験の設計に合わせて決める。
c. コレステロール取り込みの蛍光標識。適切なCy3-cholesterol取り込み作業溶液を添加する。通常、96ウェルのプレートの各ウェルに100μlを添加する。37℃、暗所で24時間インキュベートする。インキュベートの時間は12-48時間以内に調節できる。
注:これが最初の実験で、インキュベートの時間が決められないのなら、まずは37℃、暗所で24時間インキュベートし、蛍光効果を観察することを推奨する。正常細胞の蛍光が強すぎる場合は、時間を適切に縮める;蛍光が弱すぎる場合は、時間を適切に延ばす。
d. 検出。インキュベート後、PBSまたはHBSSで1-3回洗浄する。蛍光酵素分析装置を使い直接検出し(Cy3-cholesterolはオレンジ色の蛍光であり、Ex/Em = 554/568nm)、推奨の励起波長は554nmで、発光波長は568nmで、波長幅は5nmである。また、蛍光検出の為に、必要に応じて液体を除去し、同量の適切な溶解液を添加して細胞を溶解できる。対照群と処理群のRFU(相対蛍光単位)を比べることで、処理群のコレステロール取り込み能力の変化は定量的に算出できる。
注1:異なる細胞の間では、コレステロールの取り込み能力が著しく異なっているために、異なる細胞のコレステロール取り込みの蛍光酵素アッセイは適切に最適化して、より良い検出結果を得る。例えば、Cy3-cholesterolの濃度、検出時の細胞数、Cy3-cholesterolコレステロール取り込み作業溶液のインキュベート時間は最適化する必要のある場合がある。蛍光分析装置のトップリーディングモードまたはボトムリーディングモードも検出結果に何らかの影響を与える可能性がある。トップリーディングの検出を推奨する。
注2:蛍光酵素アッセイの前に、低倍率の蛍光顕微鏡を短時間使い、細胞の蛍光強度を速やかに予備的に観察し、コレステロール取り込み実験が成功したかどうかを大まかに判断する。高倍率の観察が蛍光の消光を起こし易く、最終定量結果を干渉するため、高倍率の観察を使うことを推奨しない。
注3:処理薬物が細胞の増殖に著しい影響を持っているのなら、RFU値の算出には細胞数校正を使用することを推奨する。
4.細胞コレステロール取り込みのフローサイトメトリー検出
a. 培養。実験の設計に応じて、細胞を6ウェルのプレートまたは適切な細胞培養皿に播種し、細胞を適切に処理する。
b. 細胞の調製。付着細胞をPBSで一回洗浄した;浮遊細胞を室温、250-1000×gで5分間遠心分離し、上清を除去し、PBSで一回洗浄した。
注:PBSで細胞を洗浄するかどうかは、実験設計に応じて決められる。
c. コレステロール取り込みの蛍光標識。前のステップで6ウェルのプレートに接種された細胞について、1mlのCy3-cholesterol取り込み作業溶液を各ウェルに添加する;前のステップで懸濁液から沈殿された1×106個の細胞については、1mlのCy3-cholesterol取り込み作業溶液を添加し、それらを再懸濁して単細胞懸濁液を形成する。37℃、暗所で24時間インキュベートする。インキュベートの時間は12-48時間の範囲内で調整できる。
注:これが最初の実験で、インキュベートの時間が決められないのなら、まずは37℃、暗所で24時間インキュベートし、蛍光効果を観察することを推奨する。正常細胞の蛍光が強すぎる場合は、時間を適切に縮める;蛍光が弱すぎる場合は、時間を適切に延ばす。
d. 検出。インキュベート後、PBSまたはHBSSで付着細胞を1回洗浄し、トリプシンで細胞を消化して、更に一回洗浄する。これはフローサイトメトリーの検出に使える;浮遊細胞について、PBSまたはHBSSで1-3回洗浄し、そのままフローサイトメトリー検出を行う。細胞懸濁液をフローサイトメーターで検出する。Cy3-cholesterolはオレンジの蛍光で、Ex/Em = 554/568nm。フローサイトメトリーについて、検出にCY3/PEチャネルの使用を推奨する。
注1:異なる細胞のコレステロール取り込み能力が著しく異なっているため、異なる細胞のコレステロール取り込みのフローサイトメトリー検出は、適切に最適化して、より良い検出結果を得るべきである(例えばCy3-cholesterolの濃度や細胞数など)。
注2:フローサイトメトリーが敏感的であるため、使われた蛍光プローブの濃度は、蛍光顕微鏡検出のそれよりも低い可能性がある。この場合、Cy3-cholesterolの希釈率は、細胞種と試薬染色条件に応じて適切に調節できる。
5.細胞によるコレステロール取り込みの蛍光顕微鏡の検出
a. 培養。細胞を96ウェルのプレート、細胞培養皿または細胞スライドに播種し、実験の設計に応じて適切に処理する。
b. 洗浄。付着細胞について、培養培地を除去し、細胞をPBSで一回洗浄する;浮遊細胞について、室温、250-1000×gで5分間遠心分離し、上清を除去し、PBSで一回洗浄する。
注:PBSで細胞を洗浄するかどうかは、実験の設計に合わせて決める。
c. コレステロール取り込みの蛍光標識。適切な量のCy3-cholesterol取り込み作業溶液を添加する。通常、96ウェルのプレートの各ウェルに100μlを添加し、24ウェルのプレートの各ウェルに250μlを添加し、12ウェルのプレートの各ウェルに500μlを添加し、6ウェルのプレートの各ウェルに1mlを添加する。37℃、暗所で24時間インキュベートする。インキュベートの時間は12-48以内に調節できる。
注:これが最初の実験で、インキュベートの時間が決められないのなら、まずは37℃、暗所で24時間インキュベートし、蛍光効果を観察することを推奨する。正常細胞の蛍光が強すぎる場合は、時間を適切に縮める;蛍光が弱すぎる場合は、時間を適切に延ばす。
d. 検出。インキュベート後、PBSまたはHBSSで1-3回洗浄し、蛍光顕微鏡でコレステロール取り込み効果を観察する(Cy3-cholesterolはオレンジ色の蛍光であり、Ex/Em = 554/568nm)。
References:
[1]. Chen, Lifeng, et al. "Cholesterol-rich lysosomes induced by respiratory syncytial virus promote viral replication by blocking autophagy flux." Nature Communications 15.1 (2024): 6311.
製品資料 (Product Documents)
化学的性質 (Chemical Properties)
ストック溶液は、-80°Cで保存する場合は6か月以内、-20°Cで保存する場合は1か月以内に使用してください。
溶解性を高めるには、チューブを37°Cに温め、適切な時間超音波処理してください。
計算ツール (Calculators)モル濃度 / 希釈 / 分子量 / 単位変換 / in vivo製剤 / 溶解度
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